ごあいさつ

 私がこの業界に入った1990年代、印刷業はアナログの製造工程からデジタルでの製造工程へ変わりはじめ、大企業だけでなく一般的な企業にも浸透し始めた時期でした。当社は「書籍の笹氣」として、大学や研究団体などの書籍、報告書、研究誌などを多く手掛け、商業印刷などには無い「大量のテキストデータ」を使った印刷物を得意としていました。
 太古の時代、言葉が生まれ、口伝で伝えられたものが文字となり、それを記録し、知識と法で秩序を広めた印刷物は「文化」を支えたとも言える媒体。私達は「印刷こそ文化の母である」ということばを大切にし、お客様への情報発信を支えてまいりました。

 その後、パソコン、インターネットの浸透により情報の発信、伝達はインターネット上にその主流を移していきました。
 当社としても当時はまだ珍しかった「自社ドメイン」を1997年に取得、いち早くインターネットの技術取得、利用に動き、社内での製作工程がデジタル化されていく中、お客様の情報の収集、発信もインターネット上で行われることとなり、当時Webを使ったオンラインの入稿システムの走りであった「UMIN(大学病院医療情報ネットワークセンター)」や国内最大規模のオンラインジャーナル「J-Stage」にも開設当初から各研究紙のWeb入稿や掲載をお手伝いしてきました。

 しかしながら私たち笹氣出版印刷は「印刷こそ文化の母である」という誇りを持ち、その時代時代の文化を支える情報の担い手として、この情報社会の中でモノからコトへと変化するお客様の要望に応えるために、印刷と印刷ではないメディアのハブとして、また様々な業種のお客様を繋ぐハブとして、お客様のあいだでコミュニケーションを支える企業として、これからも、次の100年も皆様の活動を陰ながら支えてまいります。

代表取締役社長 笹氣義幸