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病理技術研究会から学ぶこと

濱川真治

公立昭和病院臨床検査科


【はじめに】病理検査に携わり今年でかれこれ30年,節目の年である.そのなかで病理技術研究会には平成8年に入会,以降運営委員としても本研究会に参画させて頂いていますが,日常の業務改善においてもその存在価値は大きいものがあります.
 今回は,第54回日本臨床細胞学会総会ランチョンセミナー(横浜,2016.5.28, 共催:サクラファインテックジャパン株式会社)にて発表した「医療安全を考慮した病理検査のちょっとした工夫」を少しアレンジした内容とともに,本研究会への思いについてお話しさせて頂きたいと思います.
【病理技術研究会での活動】当研究会にて初めての演題は,「無色素悪性黒色腫におけるDOPA反応後Fontana-Masson染色(第54回病理技術研究会,1996年8月)」でした.稀な症例に遭遇し,「何とかキレイに染めたい」という一心で,染色の原理などを調べ実験したのを記憶しています.その演題を発表へと導いて頂いたのが当時のプログラム委員長の前田明氏であり,論文として仕上げて頂いたのが編集委員長の服部進氏であります.以来,骨髄穿刺液の検体処理法は「逆転の発想」によるもの,抗原賦活液や脱パラフィン法,簡便なセルブロック法は日常業務の中でのひらめきから生まれ,発表を重ねて参りました.さらに最近では,日常業務における作業環境対策や医療安全を考慮した病理システムは,病理業務の問題点を抽出し,実行に移してきました.今回の発表まで本研究会での演題数は10を超え,改めて本研究会から学ばせて頂いていることに感謝するとともに,会の発展にも少しは貢献してきたのではないかと自負しています.
【今後の研究会の役割】「同じ道に苦労している者同士が集まって知恵を出し合ったり、一緒に新しいことを勉強したりすることができたら、それは有益なことだとお考えにはなりませんか」と,第 一 回 組 織 技 術 研 究 会の冊子には書かれています.今後も研究会の発展のため,微力ながら会員の皆様と共に歩んでいきたいと考えています.


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