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PAM染色コンペ報告

阿部 仁

慶應義塾大学医学部 病理学教室・慶應義塾大学病院 病理診断部


 第91回日本病理組織技術学会では、染色コンペとしてPAM(Periodic acid methenamine silver stain, 以下PAM)染色を取り上げた。PAM染色は、腎臓ではPAS反応、マッソン・トリクローム染色とともに頻繁に染色されている腎基底膜染色方法の1つである。しかしその染色方法は施設によって多種多様で染色結果も施設間の差が著しい。また、PAM染色の良し悪しを決定するのは染色方法のみならず、染色以前の薄切も重要な因子となっている。このため今回のコンペでは使用染色液や染色方法以外に、PAM染色を目的とした薄切についての調査も加えてコンペを実施した。
コンペの方法としては、① 病理技術研究会で準備した3μm未染標本スライドガラスを自施設で普段使用している染色液と染色方法で染色。② 病理技術研究会で準備した10%ホルマリン固定,パラフィン包埋した腎臓組織を自施設で自由に薄切してもらいPAM染色。これら①と②の標本とともに各アンケート項目に記入した用紙を提出していただいた。
アンケートの内容としての概略は、1.どのような試薬を使用しているのか。2.PAM染色はどのように行っているか.3.自施設で薄切したパラフィン切片標本について、①薄切した切片の厚さ、② 薄切に使用したミクロトーム、③薄切に使用した替刃、④ 切片カーリング防止はどのような方法で行っているか、 ⑤PAM染色用切片を薄切する際に工夫などあったら自由に記載してもらった。
当日は、返送していただいた染色標本を供覧しながらアンケート用紙による統計を加えて染色結果を報告する。また、自施設にて薄切していただいたパラフィン切片については、厚さを測定する機器で測定した切片厚の結果も併せて報告する。


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