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EVG染色コンペ報告

阿部 仁

慶應義塾大学医学部病理学教室


 第87回日本病理組織技術学会では染色コンペとしてエラスチカ・ワンギーソン(Elastic van Gieson, 以下EVG)染色を課題とした。EVG染色は、ワイゲルトのレゾルシン・フクシン染色とワンギーソン染色による重染色であり、レゾルシン・フクシン液で弾性線維を黒紫色に染色し、ワンギーソン液で膠原線維を赤色およびその他の部位をピクリン酸で黄色に染色する方法である。
コンペの方法としては、病理技術研究会で準備した10%ホルマリン固定,パラフィン包埋したブタ肝臓,肺手術材料,心臓剖検材料の3µm未染標本スライドガラスを自施設で普段使用している染色液と染色方法で染色する。また、自施設のパラフィンブロックを薄切し、同様の染色方法で染色する。染色した標本はアンケート用紙の質問事項に回答し返送していただいた。
アンケートの内容としては次の通りである。1.どのような種類のエラスチカ染色液を使用しているのか。2.どのような種類の核染色液を使用しているか。3.どのような種類の後染色液(ワンギーソン液)を使用しているか. 4.EVG染色はどのように行っているか.5.どのような種類の封入剤を使用しているか。6.自施設で作製されたEVG染色とパラフィン切片標本について、① 臓器名、② 材料手術例あるいは剖検例、③ 使用した 固定液、④ 固定時間 ⑤ 薄切した切片の厚さ、 ⑥ EVG染色を行ううえで薄切や染色で工夫などあったら自由に記載する。
第87回日本病理組織技術学会では染色標本を供覧しながら染色方法・染色時間・染色液の違いによる染色結果とアンケート用紙による解析を加えて報告する。


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