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組織切片自動作製装置(AS-400M)のご紹介及び導入事例

種子田 秀一

クラボウ バイオメディカル部


 組織切片自動作製装置(AS-400/AS-400M)は、プラスチックフィルムを利用している点が特長で、「カセットバーコードの読み取り→スライドへのバーコード情報の印字→面出し解析→薄切と切片のテープへの貼付け→スライドへの切片の貼付→伸展・乾燥」までを自動で行う。 薄切工程の自動化だけでなく印字機能を搭載し、薄切と印字・バーコード管理を複合化した装置である。 病理検査室においての本装置は、1)検体間違いの確認作業から解放される、2)均一な厚さの薄切で厚さムラの問題が解決され精度管理がより進む、3)夜間運転が可能で効率的な標本の作製ができる、4)各施設の検体数や予算に対し、オプション化によって多種のスペックを選択できる、5)病理診断システムとの連携で運転内容の入力の簡素化、入力ミス防止と全体的な工程管理の実現、などの利点があり、組織標本作製の全般の改善と効率化に期待できる。
導入事例としては、既に複数の施設に導入されているが、導入施設は都道府県の癌センターや大学病院、中核病院が主で、予想に反し地方施設の要望が高い。 理由として、地方施設の方が一定レベル以上の検査技師の確保がより困難になっているためと推測している。 導入時のスペックも、ブロック数:24個・96個、スライド収納数:100枚・400枚、自動面出しあり・なし、サンプル管理あり・なし、その他の追加など多種多様で、これは病理現場で求められる自動化の多様性を証明しているといえる。
今後の病理分野における装置には、「精度管理にどのように貢献していくか」が求められ、システム性を重視し、「いつでも、どこでも、誰が作業しても同じ標本作製を実現させるマシン」が、メーカー側への要望であり、今後も追求していきたい。


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