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各施設における結核症対策アンケート報告

青木裕志

順天堂練馬病院


 病理検査に提出される検査材料には,様々な感染性微生物が潜んでいる.多くはホルマリン等の固定操作により,感染の危険性は限りなく抑えられるが,生材料を取り扱う検査においては,検査作業者は常に感染の危険性にさらされている.
 感染力が強く,検査作業者への感染がしばしば問題となる感染症には,肝炎ウイルスや結核があげられる.肝炎ウイルスは,血液スクリーニング検査の充実により,事前に感染情報を得る事が一般的となっているが,結核は,臨床的に診断がつきにくく,病理検査や解剖時に初めて確認される症例も少なくない.また,結核は空気中に飛散した飛沫核により感染が引き起こされる事から,直接の作業者のみならず,周囲の作業者にも暴露が及ぶといった点が,この感染症の危険性を大きくしている.
 結核は,病理検査の作業者に最も多い業務感染症であり,その罹患率は一般人の約17倍と報告されている.作業者への感染リスクを軽減する為には,結核に関する正しい知識を持ち,必要な感染対策を講じると共に,検体を提出する側(臨床医)の意識も重要な要因となっている. 今回,「身近な感染症(結核症)」をテーマに,各施設における結核症対策に関するアンケートを行い,12都道府県の43施設に協力を頂いた.本発表では,アンケート結果の報告を行う.


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