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当院におけるホルムアルデヒド対策の現状

国立国際医療センター国府台病院  村田 行則


【はじめに】
平成20年3月の特化則の法改正に伴い、現在、特化則にのっとった、ホルムアルデヒド(以下、FA)対策が各施設に求められている。今回、我々は当院におけるFA対策と工夫について報告する。

【現状】
当院の方針として、リスクアセスメントの基本的手順に沿って、FA発生源の特定、気中FA濃度測定などを行い、病理検査室をホルマリンエリア、染色エリア、鏡検エリアと3つのエリアに分け、導入する機材や配置場所を検討した。ホルマリンエリアは切り出し、カセット詰めなどを行う場所で、FAの発生源とし、FA作業をこのエリアに集約させ、ラミナーテーブルと空気清浄機を設置した。ここで、吸引出来なかったFAが鏡検エリアに流れ込まないようホルマリンエリアから、鏡検エリアを遠ざけ、さらにその境にも空気清浄機を設置した。導入した器材は、ラミナーテーブルが1台、光触媒環境浄化装置の大型が1台、中型が3台(そのうち1台は薄切室に)、小型をキシレン対策のため机上に1台設置した。
また、病理検査室内の温度管理、空気清浄機の24間運転、FA中和シートや吸収パットなども併用している。
解剖室には大型の装置を設置した。この装置の、適応空間は25~100 ㎡で、FAの分解・除去と除菌機能もあり、この1台で解剖室は対応している。

【まとめ】
FA対策後、気中FA濃度は0.1 ppm以下と改善した。導入した機材を最大限生かす手段として、作業方法の改良によるFA発散の防止、可能な限り密閉や隔離などが重要であると考える。


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