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東京医大病院におけるホルマリン対策

東京医科大学病院 病理診断部
小池悦子 三宅真司 渡部顕章


 厚生労働省より、2008年3月1日から「特定化学物質障害予防規則」が施行・適用された。この法令は、ホルマリン等を取り扱う作業者が、化学物質によってガンやアレルギーを発症する労働災害を防ぐ規則で、病理室や臨床部・臨床検査室などホルマリンを使用する作業室が対象になる。特にホルマリンは、管理濃度0.1ppm以下に保ち、6ヶ月毎の測定が必要になる。これにより、我々病理担当技師の労働環境が改善されることは非常に望ましいことである。今回、施設ごとのホルマリン対策の取り組みを発表する機会を与えて頂いたので、我々が所属している東京医科大学病院病理診断部の現状を以下に紹介する。

1.1986年に新病院が建設されたのを機に、局所排気装置を切り出し室の流しと固定槽に設置した。
また、排気ギャラリーを切り出し台および染色台に、卓上ドラフトを細胞診検体処理の場所に
設備し、これらを24時間稼動させている。
2.生検材料の処理や小物の固定には、プッシュプル装置(ラミナーテーブル)を使用している。
3.再固定容器は局所排気装置内に置いている。
4.従事者にホルマリンの有害性と暴露防止方法を認識・確認させる。
現在まで当施設病理技師12名中4人が特定化学物質の講習会に参加し、技能講習を修了した。
今後、徐々に人数を増やす予定である。
5.現在、光触媒環境浄化装置を申請中である。

以上のような環境で作業することにより、法令の基準を満たしてはいるが、今まで我々のホルマリン対策に対する重要性や認識が低かったことは否めない。今後は、他施設の実施状況を把握し、それを参考にしながら更なる改善を進めていきたいと考えている。


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