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粘着テープを用いた薄切ブロックの保護処理

浜松医科大学
加茂 隆春  椙村 春彦


 薄切済みのパラフィンブロックは、後始末として、組織を保護するため薄切面をパラフィンで覆うことが一般的である。そのあと薄切する場合は、組織面が出るまで荒削りするが、薄かったり微小な物は注意しつつ捨てる組織屑を少なくしなければならない。この面出し作業を改善するため組織面に粘着テープを貼り、その上から包埋剤で覆うようにした。薄切が必要になれば粘着テープを剥がして簡便に組織面が出る。凍結ブロックも同じ方法で行ったので報告する。

【パラフィンブロック】
・ 通常どうりに薄切する ・ 薄切済みのブロック面に、粘着テープ(デザインワークテープリムカ DW-R18)を5mm程はみ出して貼る ・ その上から溶けたパラフィンで覆うように封をする ・ 薄切時に、はみ出た粘着テープを掴み剥して組織面を出す ・ 面合せ、荒削り、本刷りをする

【凍結ブロック】
・ クリオスタットで薄切する ・ クリオモルドに入れ易くするため凍結ブロックの余片を少し削る ・ 支持台から凍結ブロックをはずす ・ 低温にした粘着テープ(新透明クロステープ : N784X03)を組織面からブロックの側面まで素早く貼る ・ クリオモルドにコンパウンドを少したらし、粘着テープの着いたブロックを埋め凍結する ・ 薄切時は、支持台に付けたブロックのクリオモルドをはずし粘着テープを剥す ・ 組織が出ているので面合せして薄切する

パラフィンブロックは、(ヒト胃生検、ヒト大腸 手術例、ラット胎児)を用いてセロハン粘着テープ(一般粘着)で行ったが、問題が生じてデザインワークテープリムカ DW-R18(弱粘着)にした。凍結組織は、(ヒト大腸 手術例、ヒト肝臓 解剖例)を用いて検討した。


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