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「自動化による特殊染色の合理化」

サクラファインテックジャパン株式会社
マーケティンググループ
恩田 和人


特異的な組織構成成分や細胞内外の物質を選択的に染め出す特殊染色。病理、細胞診検査実施施設では必ず行っていると言っても過言ではありません。

昨今、免疫染色の普及により、特殊染色の種類によっては殆ど実施される機会がなくなったものもあると聞きますが、特殊染色の中には免疫染色では得られない重要な情報もあり、診断に貢献するものも少なくないため、特殊染色の重要性は今も昔も変わりありません。

HE染色やPapanicolaou染色といった一般染色の自動化率は年々増加しており、HE染色、Papanicolaou染色双方とも約50%の施設で自動化されてきていますが、特殊染色においては、現在も手染めで行われている施設が殆どと思われます。
特殊染色の多くは、処理時間が一般染色に比較し長時間であるとともに、複数の染色を同時に行っていることが多いため、実際のルーチンワークでは、タイマーやストップウォッチを複数個用いて、アラームに呼ばれては振盪、移槽、振盪といった作業を他業務と並行して行っている施設が多いように見受けられます。

この度紹介させていただきます自動染色装置ティシュー・テック プリズマは、3種類の薬液容器をニーズに合せて選択いただくことができ、小型薬液容器を使用した場合の槽数は最大で44槽にもなります。また主となる特染薬液容器を用いて特殊染色を自動化することも可能です。

特殊染色は技術的要素が大きく標準化は難しいとされ、また個人差も生じ易いのが現状ですが、一方で自動染色装置での実施率が上がっていることも事実です。

今回は特染薬液容器を用いての特殊染色の自動化について提案させていただくとともに、実例を踏まえながら、多くの染色を自動染色装置にセッティングいただくことでの環境改善、そして、可能な限りの特殊染色を自動化することでの染色性の標準化と業務効率の改善について、業務、技術を完全に自動化することでなく、人にしかできない技術に注力する為の時間を創造するということを前提に述べさせていただきます。


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