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Tris-EDTA Buffer pH9.0賦活法の検討

岩知道 伸久 他(川崎医科大学附属病院病院病理部、上海職工医学院)


【目 的】現在、当院で行っている賦活法とTris-EDTA Buffer pH9.0(TE-9.0)賦活法を比較検討した。

【材料と方法】材料は、悪性リンパ腫7例、大腸癌5例、乳癌5例、GIST 3例、卵巣明細胞腺癌3例、腺様嚢胞癌3例、悪性中皮腫3例のホルマリン固定パラフィン標本を用い、賦活法による染色性の差を検討した。

方法は、無処理、Trypsin処理、マイクロウェーブ加圧citrate buffer pH6.0処理とマイクロウェーブ加圧TE-9.0処理を比較した。一次抗体はC-kit、CollagenⅣ、D2-40、CD79a、CD30、ER、PgR、MIB-1、P53を用い、EnvisionもしくはElite ABC法で検出した。判定は、面積と染色強度を点数化し、客観的に評価した。

【結 果】TE-9.0では、CD30のみが良好な結果を示した。ER、PgR、MIB-1、P53、CD79a、 D2-40は検討した賦活法すべてで、ほぼ同等の結果が得られたが、TE-9.0では核の膨化ならびに細胞質の共染が認められた。一方、C-kitとCollagenⅣは、TE-9.0で染色性の低下が認められた。

【まとめ】TE-9.0は、多くの抗原の賦活化に適していると報告されているが、細胞形態の変化や染色性の低下を認めた。


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