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有機的病理検査・診断システム
-連続・迅速処理の可能性-

恩田和人(サクラファイテックジャパン株式会社)


今日,患者様を第一においた病理迅速検査,診断が浸透し始めている.患者様が第一であることは当然であるが,同時に病理検査室,病理診断,そして病院の運営も同時に考えなければならない.患者様の生活,そして病院の従事者(病理検査,診断)の生活も含めメーカーは様々な視点より提案していくことが理想と考える.

弊社では,ティシュー・テックRエクスプレス?発売より早3年が過ぎた.この期間数十箇所におけるプレゼンテーション,更には数十施設を訪問させていただき,現場の実態を勉強させていただいた.少ない経験ながら「迅速」をキーワードした際の病理検査における主な意見を以下に紹介する.

①従来法では,組織の固定包埋処理(プロセッサー処理)を夜間に行っている.これはある意味で効率・合理的運用である.処理の迅速化に伴いその工程が日中になれば新たな業務が増えるだけで加重になるのでないか.

②迅速検査は迅速診断も伴わなければ意味を成さない.しかし,日本の病理診断医事情の通り病理医の1施設当りの人数は少ない.診断サイドでの負荷が大きくなり検査が対応できても診断が対応できないのではないか.

③検診事業(消化器,乳腺など)への活用という提案も聞くが,その実現には病院全体で取り組む必要があり非常に難しい.などが挙げられる.

また,直接的には関係ないが,コマーシャルラボや,病院検査室から「残業」を減らしたいといった声が多く聞かれるようになった.

本講演では,上記に挙げた懸念や要望も含め,一装置がどのような可能性を秘めているかを紹介する.


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