■ プログラム

HOME > 例会抄録 > 第71回病理技術研究会 > マルチ染色装置:HYBRIMASTAR:HS300の紹介と装置における実験例

マルチ染色装置:HYBRIMASTAR:HS300の紹介と装置における実験例

近藤 裕道(アロカ株式会社バイオサイエンス部)


近年,医療技術の進歩に伴いスライドグラス上に貼り付けたサンプルで様々な染色および解析が可能になってきた.今日では元来からある病理組織切片は勿論の事,血液塗抹標本ならびに化学的に合成したDNAまで多種多様のサンプルを使用し染色,解析が行われている.なかでも,免疫染色法およびIn situ Hybridization(ISH)法に代表される特殊染色法,Fluorescence in situ Hybridization(FISH)法およびDNAマイクロアレイ法に代表される染色体解析,網羅的発現遺伝子解析法は今後,医療の分野における個別化医療の現場において包括的遺伝子診断技術や個別薬剤感受性試験として最も期待されている手段の一つである.また,創薬の分野でゲノム創薬,分子標的治療薬といった近未来的治療薬の開発には無くてはならない染色法,解析手段でもある.このようにこれらの染色,解析技術は医療の現場,創薬開発の現場には無くてはならないものであり,今日また,今後の医療福祉社会においてますますニーズが高まる事が予想される.しかしながら,これらの染色法ならびに解析方法は,緩衝液の置換,温度管理等,単調でありなが煩雑であり、また、染色結果、解析結果の再現性は乏しいものである。そこで、我々はこの様な単調で煩雑な操作でありながら重要な処理を自動で行え、再現性の有る結果を提供できる装置の開発を行った。今回,我々は,開発したマルチ染色装置「HYBRIMASTAR:HS300」の特徴とこの装置を使用した実験例を報告する.


例会抄録一覧へ戻る