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病理検査における精度管理

大久保 美浩(PCL 病理細胞診センター)


病理検査の精度管理には外部精度管理と内部精度管理がある。

1.外部精度管理
立ち入り監査
日本において登録衛生検査所は医療機関より検体検査業務を請け負うにあたって原則的には都道府県知事の登録を受けなければならない。その為には、施設、設備や運営方法について一定の基準を満たしていると共に各工程の台帳、作業手順書、各作業工程における作業時間、担当者、作業中に起こったエラー等を記載する作業日誌の記入が義務付けられている。作業書の中には外部及び内部精度管理に関する事項が含まれている。検査所開設後も作業手順書に従い各作業が行われているかを確認する為、2年に1度の割合で都道府県(保健所)による立ち入り監査が行われれる。他にも任意で外部精度管理に参加することが出来る。
外部精度監査機関
日本において参加できる外部精度監査機関として先に述べた各都道府県による外部監査と他に医療関連サービスマーク(マル適)CAP(College of American Pathologist)等が有る。

2.内部精度管理
・コントロール標本による染色状態の管理(統計学的精度管理)
・ブラインドサーベイ(標本作製~診断までのチェック)
・鏡検チェック(全検体)
・検査機器点検
・ピペット・温度計検定

これら多くの書類により日常業務を支えているが、その書類が日常業務に真に役立ったマニュアル作りが今後の課題といえる。更に、当施設では検体取り違い等防止の為のバーコードによる検体の一元管理を実施している

  切り出し… 依頼書、検体容器のバーコードによる一致確認とカセットIDの紐付け
  薄 切 … カセットIDを読ませる事により検体番号等が記載されたラベルがライドガラスに貼付され自動的に出る。また、水槽(1水槽)ブロック(1ブロック)による検体取り違い防止を実施
  鏡 検 … 依頼書、スライドの一致確認その他、診断後の標本発送までをバーコードによる一元管理を行っている。

このように書類整備に重ね日常業務における精度管理を実施している。


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