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当施設における標本作製過程での水滴除去方法

渡辺 俊宏(上尾中央臨床検査研究所病理検査室)


病理標本作製過程では,水を用いた作業から,水分を排除した条件下での作業まで行われている.染色での透徹など水の無い条件下での作業においても,水分が水滴として混入することがしばしば見受けられる.
染色終了後の鏡検チェックで水分混入を疑うアーティファクトを発見した後透徹層に水滴が混入していた事を確認する,というのが混入した水滴を発見するまでの大方の経緯であると思われる.組織切片に水滴の付着した標本は,少なくとも脱水作業からのやり直しが必要となる事は言うまでも無い.
当施設のHE染色は手作業で行い,1時間程度で約300枚の標本を染色する.短時間で多くの標本を染色するため,透徹層に水滴が混入した事に気付かずに染色作業を続けてしまう事もありうる.
その場合,水滴が透徹層の低部より再浮遊し,他の切片にまで水滴が付着することで被害が拡大してしまう恐れがある.
水滴混入当初に付着してしまった標本はやむをえないが,その後の被害を最小限に留める為に,当施設で行われている簡単な水滴除去方法について紹介する.
また,他の標本作製過程においても若干の応用が可能であり,合わせて紹介する.


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