宇宙航空環境医学 Vol. 60, No. 1, 44, 2023
一般演題学生枠
S-3. 国際医療福祉大学宇宙医学研究会 発足・活動報告
山口 修平1,中村 龍太1,星 昴太郎1,座間 隆夫1,塩屋 沙季1,川原 彩文1,清水 凜佳1,
アウレリウス セバスチャン チャンドラ1,小田 哲史 1,山下 雄大1,茅原 武尊1,
アバスザデ ダニエル アリヤ1,黒坂 優子1,長野 友香1,村上 純一1,岡 愛子1,
田中 達也1,黒住 献1,田島 寛之1,瀧澤 玲央2,堀口 淳1
1国際医療福祉大学 宇宙医学研究会
2埼玉県立循環器・呼吸器病センター 血管外科
International University of Health and Welfare, Space Medicine Research Group:launch and activity report
Shuhei Yamaguchi 1, Ryuta Nakamura 1, Kotaro Hoshi 1, Takao Zama 1, Saki Shioya 1, Ayami Kawahara 1, Rinka Shimizu 1, Aurelius Sebastian Chandra 1, Tetsushi Oda 1, Yudai Yamashita 1, Takeru Kayahara 1, Abbauzadeh Daniel Ariya 1, Yuuko Kurosaka 1, Yuka Nagano 1, Junichi Murakami 1, Aiko Oka 1, Tatsuya Tanaka 1, Sasagu Kurozumi 1, Hiroyuki Tajima 1, Reo Takizawa 2, Jun Horiguchi 1
1 International University of Health and Welfare, Space medicine research Group
2 Vascular Surgery, Saitama prefectural Cardiovascular and Respiratory Disease Center
【背景】 2021年民間宇宙産業はSpace X,Blue origin,Virgin galacticなどの民間企業が独自開発のロケットを開発し,民間人が宇宙観光を行う時代がまもなく訪れることを期待されている。しかしながら,民間人の宇宙旅行が可能になった際の乗客の急病などに対する対応や医療品の整備といった医療インフラは十分に検討されているとは言えない。我々,国際医療福祉大学宇宙医学研究会は来るべき民間宇宙旅行時代に向けての医療,生活などの日常及び未知なる宇宙への探究を目的とし2021年に発足した研究会である。今回,我々の研究会の発足及び活動を報告する。
【活動内容・成果】 研究会発足前は発起人である医師による,ショートグループレクチャーを主体として活動を開始した。具体的には医学の臨床的側面を宇宙環境に適応した際に現行の医療品を用いた際に生じると考えられる問題点を議論する形式で行なった。その上で宇宙医学,特に臨床的側面においての議論が主体となった。宇宙医学は学生たちの興味を惹きつけるの十分に魅力を持った領域であることを確信し2021年4月に国際医療福祉大学公認の研究会(ゼミ)として発足することとなった。発足当初は医師2名,学生4名の研究会であったが2022年8月現在は医師5名,学生16名が在籍する研究会となっている。月時開催の定期的ミーティングにて宇宙医学において学生個人の興味をもつ内容をリサーチを行い,発表を行うことで宇宙における医療・生活における課題を抽出し議論をおこなった。その成果として第67回宇宙航空環境医学会では3名の学生が発表し,学生優秀演題を取得し学会活動にも積極的に参加する方針となった。また学会活動のみならず,バンダイナムコ社主体のガンダムオープンイノベーションの共創パートナーの1チームとして採択され,今後の宇宙環境における医学的な研究や宇宙使用に耐えうる医療品の開発が期待される研究会となった。
【結後】将来の宇宙医学を志しをもつ学生たちと研究会を発足した。宇宙産業は低迷した日本の新たな産業になりうる領域である。今回我々は未来ある医学生たちに宇宙医学の魅力を示し,医学臨床と宇宙医学の架け橋となりうる研究会を発足したことを報告する。