腎臓の特殊染色と染色法のポイント
【質問事項】
1.マッソントリクローム染色において、免疫複合体沈着の視認性を高めるために、特に留意すべき染色工程についてご教示いただけますでしょうか。

2.PAM染色において、染色結果を安定させるために、メセナミン銀反応で判断・注意するポイントについて具体的にご教示いただけますでしょうか。


【回答】
1.染色前で留意する点は、薄切は厚みのある切片ではなく、薄目の切片を作製することが必要です。微細な構造をよく染め分けることができます。切片の厚さとしては、具体的に2~3μmが理想です。
 染色では赤と青の色調のコントラスがバランスよく染色され、核がヘマトキシリンにしっかりと染色されていること。染色の工程では常に染色具合を顕微鏡で観察しながら染色を進めること。例えば、ポンソー・キシリジン、酸フクシン、アゾフロキシン混合液では20分から30分染色するのが通常ですが、固定の状態などで必ずしもこの時間で染色されるとは限りません。顕微鏡で観察して染色が弱ければ時間を延長してください。アニリン青染色も同様であり、薄ければ染色時間を調整してください。成書に記載されている時間はあくまで目安です。
 鉄ヘマトキシリンは酸化により劣化するのが早く、劣化した染色液は共染の原因になるので注意してください。アニリン青染色の染色性に影響するので、1分以上の染色はできる限り避けること。
 リンタングステン酸はアニリン青の媒染作用もありますが、アニリン青の脱色作用もあるため、赤の色調が弱くならないように顕微鏡で確認しながら、膠原線維の部分が脱色されて赤い色調が薄くなるまで媒染を行います。
 アニリン青染色では成書の時間を参考に、顕微鏡で観察しながら膠原線維等がしっかりと青く染色されるまで染色してください。ここでも必ず顕微鏡で観察します。アニリン青染色が過染しないように注意してくだい。

2.PAM染色では、前処理としてチオセミカルカルバジドを使用することで安定した鍍銀を行うことができます。また、鍍銀する際の銀液の温度が重要です。つまり、高い温度では反応が早くなるため鍍銀時間が短く、あっという間に過剰な鍍銀となってしまいます。具体的には、事前に温めた58℃以上の温浴槽ですと2分弱で鍍銀されます。一方、60℃にセットされた恒温槽に30分前ぐらいに温めた銀液に入れて染色すると、切片を銀液に入れてから鍍銀されるまで数十分かかります。しかし、ゆっくりと鍍銀されるため、じっくりと鍍銀状態を確認しながら染色を止めることができます。染色に慣れていない方は銀液の温度に注意してください。

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