HOME > 最新例会抄録 > 富山県における病理細胞診の精度管理の取り組み
石倉 宗浩
市立砺波総合病院 臨床検査科
【はじめに】
2013年4月に、一般社団法人日本病理学会(以下、病理学会)と一般社団法人日本臨床衛生検査技師会(以下、日臨技)が、精度管理を中心とした責務を担う認定技師制度について、協働し「認定病理検査技師制度」を立ち上げた。そして、2015年4月より認定病理技師が誕生したことは周知のことと思います。また、病理細胞検査の精度管理は、日臨技精度管理調査で長年調査されているが、近年では、薄切、特殊染色などの病理技術調査は実施されなくなってきている。そして病理技術精度管理調査は、特定非営利活動法人日本病理精度保証機構や日臨技中部圏支部病理細胞検査研究班が行う免疫組織化学染色精度管理調査、都道府県臨床検査技師会が行う臨床検査精度管理調査に移行してきている。また、薄切、特殊染色などの病理技術調査は、都道府県臨床検査技師会が実施している。
【富山県における病理細胞診の精度管理】
富山県の病理細胞診の精度管理は、2007年ぐらいに愛知県、岐阜県、富山県などの中部圏の数名の病理技師が集まって、賛同する病院を巻き込んで始めた免疫組織化学染色コンペが始まりであろうと思われる。各県の染色解析を持ち寄り約20人が意見を言い合いながら行なっていた。その後、富山県単独で、特殊染色制度調査を有志の会や富山県臨床検査技師会病理細胞検査研究班で行なっていたが、病理医は不在であった。
その後、富山県臨床検査精度管理協議会での1年間の協議の末に2019年に、病理細胞検査が精度管理調査に正式に導入された。現在富山県では、世代交代が始まりつつあり、標本作成の第一歩と言える“均一な薄切”に注目し2年毎に臓器を変え調査している。薄切、特殊染色などの病理技術調査は、技師と病理医の判定で評価している。細胞検査、病理技術、免疫組織化学染色をローテイションで行なっている。