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非腫瘍性腎生検の病理診断と病理技師に求めること

冨田茂樹

春日部市立医療センター病理診断科


 本邦において,非腫瘍性腎生検は1954年に新潟大学医学部内科学第二教室木下康民教授らによって初めて成功して以来,多岐にわたる腎疾患に適応されています.
 腎生検によって採取された非腫瘍性腎組織の病理診断は,腎臓内科,腎臓小児科,泌尿器科が設置された病院において,蛋白尿・血尿,腎機能障害の原因検索・確定診断,病勢の把握,治療方針の決定のために活用されてきています.
 日本腎臓学会腎臓病対策委員会所管の腎臓病レジストリー委員会内に設置されているA腎病理標準化小委員会は, 2007年より開始した腎生検登録(J-RBR)を含めた腎臓病総合レジストリーJapan Kidney Disease Registry(J-KDR)で多岐にわたる腎疾患研究に関与しています.
 多岐にわたる対象腎疾患の鑑別には,他の病理診断とは比較にならないほどの多種類の病理組織標本が必要で, 光顕標本(HE, PAS, PAM,MT…), 凍結蛍光抗体標本(IgG, IgA, IgM, C3c, C1q…), 電子顕微鏡標本作製が.最初の診断時から必須となっています.これらの標本作製はすべて臨床検査技師の方々によって, 随時精度が保たれ日々提供されており,がんゲノム医療拡大から多数の未染標本作製で日々益々忙しくなるなかで,より一層感謝する日々です.
 今回の講演では多種類の病理組織標本から診断可能な非腫瘍性腎疾患の典型例(IgA腎症, 膜性腎症, C3腎症等)を提示するとともに, PAM染色の価値評価,ホルマリン固定・パラフィン切片における酵素処理下での蛍光抗体標本の有用性等について述べます.


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