膵病変の病理診断
【質問事項】
1.ROSEは一般病院でも比較的導入されていますが,MOSEを導入したい施設が臨床側に依頼する際の適切な手順やアプローチについてご教示ください.また,運用上の利点や課題についてもお聞かせください.

2.MOSEに関して,細胞検査士が立ち会わず,臨床医が組織診(白い部分)と細胞診(血液部分)を取り分ける場合,ガラス上での作業中に乾燥などの問題は発生しないでしょうか.


【回答】
1.MOSEを導入する際には,まず毎回十分な量の白色検体(概ね 4 mm以上)が安定して採取できることが前提となります.施設内での検体採取状況を確認し,診断可能な検体量が十分確保されているかを評価してください.そのうえで,十分な検体が安定して得られ,診断に支障がないことが確認できれば,臨床医と相談の上,MOSE導入を検討いただければと思います.MOSEを導入することにより, 採取現場に病理関係者が直接立ち会う必要がなくなり,人的リソースの不足に対応できる点が大きな利点です.

2.MOSEで白色検体(組織診用)と赤色検体(細胞診用)を臨床医が取り分ける場合でも,ガラス上での作業中に乾燥が問題となることはほとんどないようです.組織診・細胞診検体においても,乾燥による診断上の影響は稀であり,通常は大きな支障は生じないと考えられます.

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