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田近 洋介
富山大学附属病院
富山大学附属病院では、業績評価とバランススコアカード(Balanced Scorecard: BSC)を用い人材育成を行っている。主任以上にはManagement by Target Setting(MTS)ステップ表での目標管理法も併用し人材育成を行っている。
業績評価は、個人の成長を促進し組織の目標達成を支援するために、➀目標設定:具体的な目標と評価基準の明確化、②キャリア支援:キャリアパスや必要スキルの支援、③ニーズの特定:どのような教育が必要か特定、④モチベーション向上:認識と評価による意欲向上、フィードバック:強みや改善点を理解させる、継続的改善の促進:定期的な評価と自己改善機会の提供、これらを通して人材育成を行う手法である。
BSCは、以下の視点から目標を設定し、評価を行う手法で、➀財務の視点:業務効率を上げコスト削減や収益増加、②顧客の視点:新しいススキルを学び患者満足度の向上などへの貢献、③業務プロセスの視点:改善策を通して効率化・生産性の向上、④学習と成長の視点:新しい技術や知識を習得して業務改善やイノベーションの推進、これら4つの視点から評価し病院の目標と個人の成長を統合し、効果的な人材育成を行う手法である。
MTSは、➀SMART目標の設定: 具体的(Specific)、計測可能(Measurable)、達成可能(Achievable)、現実的(Realistic)、時間的(Time-bound)であることを確認し、目標を設定する。②長期目標と短期目標の設定: 長期的なキャリア目標や組織の戦略目標に基づいて、短期の目標を設定する。③進捗管理:定期的にチェックし、問題や課題があれば早期に対処する。④Key Performance Indicators(KPI)の使用:KPIを定義し、進捗を定量的に測定する。⑤評価とフィードバック: 達成度や改善点について、定期的にフィードバックを行う。これらを用い目標管理を行い、人材育成を行う手法である。
これら目標の管理と達成を支援することで、新人からリーダまで人材育成を行っている。