仙台赤十字病医誌　Vol.30, No.1, 57-68, 2021

原著

仙台赤十字病院におけるCOVID-19患者の受け入れ病棟の実践報告

仙台赤十字病院　^1）看護部，^2）総務企画課

泉田さとみ^1）　　平　　　瞳^1）　　高橋周太郎^1）
中村智代子^1）　　太田宮城子^1）　　松川　竜也^2）
増子はるみ^1）

Records of COVID-19 Ward at Japanese Red Cross Sendai Hospital （2020-2021）

^1）Department of Nursing, ^2）General Affairs and Planning Division, Japanese Red Cross Sendai Hospital

Satomi IZUMIDA^1）, Hitomi TAIRA^1）, Shutarou TAKAHASHI^1）, Chiyoko NAKAMURA^1）,
Mikiko OTA^1）, Tatsuya MATSUKAWA^2） and Harumi MASHIKO^1）

要旨

COVID-19患者の受け入れ病棟として2回の病棟再編成を経験した．未だに有効な治療法が確立されていない状況下での患者受け入れは，患者と直接対面しケアにあたる看護師が自ら感染してしまうのではないかという不安がある．当院で受け入れたCOVID-19患者は2020年4月から2021年2月28日までに53名であった．患者受け入れは，院内新型コロナウイルス感染症対策本部からの方針，感染管理室の指導，各部署との連携と協力があって実現できた．今回の経験を通して，平時と異なる状況下での看護ケアの創造，看護師のストレス変化とメンタルサポート，看護ケアの質向上と感染リスクの間の倫理的ジレンマと向き合うこと，困難な状況下での個人と組織の対応力が大切であると学んだ．

Key words: COVID-19，入院治療，看護ケア，病棟管理，メンタルヘルス