仙台赤十字病医誌　Vol.29, No.1, 79-85, 2020

看護研究

予期せぬ時期に人工股関節再置換術が必要となった患者のレジリエンスの構成要素

仙台赤十字病院　看護部

大和美和子　　加藤　千恵

The Resilience Factors in Patients who Needed Revision Total Hip Arthroplasty at an Unexpected Time

Nursing Department, Japanese Red Cross Sendai Hospital

Miwako YAMATO and Chie KATO

要旨

本研究は，予期せぬ時期に人工股関節再置換術を受けることになった患者のレジリエンスの構成要素を明らかにすることを目的とした．研究方法は質的記述的研究であり，データは逐語録にし，カテゴリー化した．分析の結果から，【社会における自己の存在価値を自覚することができる】や，【再手術を任せようと思える信頼できる医療者がいる】などの8つのカテゴリーが抽出された．これらのレジリエンスの構成要素とその関係性から，合併症により予期せぬ時期に人工股関節再置換術が必要となった患者に対する看護において，患者の社会的役割を保てるような支援や，医療者とのより強い信頼関係を築くことの重要性が示唆された．

Key words: レジリエンス，人工股関節再置換術（再THA）