仙台赤十字病医誌　Vol.27, No.1, 25-40, 2018

原著

NANDA-I看護診断決定までのアセスメント力を向上させる
思考プロセスに対する研修の取り組み

仙台赤十字病院　看護部

泉田さとみ　　菊池真紀子　　佐藤　貞子
加藤　千恵　　川村　啓子　　増子はるみ

A Study of Training Initiatives Thinking Process for Improvement in Assessment Ability
to NANDA International Nursing Diagnoses

Department of Nursing, Japanese Red Cross Sendai Hospital

Satomi IZUMIDA, Makiko KIKUCHI, Sadako SATO, Chie KATO,
Keiko KAWAMURA and Harumi MASHIKO

要旨

【目的】看護診断決定までのアセスメント力を向上させる思考プロセスについて看護部の研修企画と効果を調査する．【方法】外部講師を招き，看護診断事例発表会に参加した看護師に看護診断決定までのアセスメントと思考プロセスについての整理と理解度を，自記記入式質問紙法で調査し，今後の看護診断に関する研修への要望を調査した．【結果・考察】配布102名，回答73名，回収率71.6%であった．13領域のアセスメント，身体的症状や各データ，優先順位，患者を全人的に把握，看護診断を導く思考プロセス，関連図の作成項目で約6割が理解できたと回答した．関連図の作成は，患者の全体像を把握し優先順位や思考の整理に効果がある．対話式看護診断事例発表会の継続，日々のカンファレンスの見直し，教育的指導ができる中核となるリーダー看護師の育成が課題である．

Key words：NANDA-I看護診断，アセスメント力，思考プロセス，研修企画