リスクファクターのない健康な若年女性に発症した<i>M.szulgai</i>による肺非結核性抗酸菌症の1例|A Case of a Young Woman Who Was Pointed Out Abnormal Shadow in the Right Apatement of the Apatia at the Examination

症例報告

リスクファクターのない健康な若年女性に発症した
M.szulgaiによる肺非結核性抗酸菌症の1例

仙台赤十字病院　呼吸器内科

千葉　祐貴　　清水川　稔　　阿部　恭子
徐　　東傑　　三木　　誠

A Case of a Young Woman Who Was Pointed Out Abnormal Shadow
in the Right Apatement of the Apatia at the Examination

Department of Pulmonary and Respiratory Medicine, Japanese Red Cross Sendai Hospital

Yuki CHIBA, Minoru SHIMIZUKAWA, Kyoko ABE,
Dongjie XU and Makoto MIKI

要旨

症例は20歳代女性．X年4月定期健康診断における胸部X線で異常を指摘され当科を受診した．初診時現症・血液検査では特記すべき異常はなく自覚症状も見られなかった．複数回の喀痰検査と気管支鏡検査で得られた検体より抗酸菌が検出され，同定検査でMycobacterium szulgaiと判明した．リファンピシン，エタンブトール，クラリスロマイシンによる治療を開始し，抗酸菌培養検査は陰性化した．本症例は肺に基礎疾患を有する等のリスクファクターが全くない健康人であり，本菌の感染力が強いと判断した．M.szulgai肺感染症はまれな疾患であるが年々増加傾向にあるため生活スタイルや環境の変化も感染に関連しているのではないかと推測される．

Key words:Mycobacterium szulgai，肺非結核性抗酸菌症，抗結核薬，若年女性