仙台赤十字病医誌 Vol.26, No.1, 23-27, 2017

原著

当院における結石性腎盂腎炎の検討

1)仙台赤十字病院 泌尿器科,2)とみざわ腎泌尿器科

櫻田  祐1)  太田 章三1)  當麻 武信2)

Clinical Study for Ureteral Stones with Pyelonephritis

1)Department of Urology, Japanese Red Cross Sendai Hospital, 2)Tomizawa Urological Clinic

Yuu SAKURADA1), Shozo OTA1) and Takenobu TAIMA2)

要旨

上部尿路閉塞を伴う結石性腎盂腎炎は敗血症を合併し,早急な尿路ドレナージを必要とする.2010年1月より2016年12月までの間に,当科で尿路ドレナージを行った結石性腎盂腎炎58症例について臨床的検討を行った.年齢中央値71歳(34〜94歳),男性17例,女性41例であった.主な合併症に糖尿病17例,長期臥床14例があった.結石長径の中央値8.0mm(2.0〜25.0mm)であり,閉塞部位は上部尿管U1が33例と最も多かった.ドレナージ方法は尿管ステント留置57例,腎瘻1例であった.起因菌は大腸菌が最も多く,初期抗菌薬はセフトリアキソン(CTRX)が27例と多くに選択された.10例は敗血症性ショックを呈しており,また4例については播種性血管内凝固症候群(DIC)への治療を要した.死亡例2例あり,56例は軽快した.結石性腎盂腎炎は敗血症性ショック,DICといった重症化に至る危険性が高く,緊急ドレナージを含め,適切な治療が必要である.


Key words:尿路結石,腎盂腎炎,ドレナージ