仙台赤十字病医誌 Vol.26, No.1, 17-22, 2017

原著

若年層に対する献血啓発講演

宮城県赤十字血液センター

中川 国利  大場 保巳  青木 利昭
内海 直紀  中島 信雄  澤村 佳宏

Promotional Lectures on Blood Donation for the Young Group

Miyagi Red Cross Blood Center

Kunitoshi NAKAGAWA, Yasumi OBA, Toshiaki AOKI,
Naoki UTSUMI, Nobuo NAKAJIMA and Yoshihiro SAWAMURA

要旨

少子高齢社会の急激なる進展に伴い,血液需要が高まっているにもかかわらず,若年層を中心に献血者の減少が著しい.そこで宮城県における高校生献血の実状を検討すると共に,献血啓発の目的で行っている小中高等学校での講演の効果について検討した.過去18年間に宮城県の総献血者数は100,125名から87,306名に減少し,とくに10歳代や20歳代の減少が著明であった.また高校生においても献血者数は8,572名から2,519名に激減し,高校生献血率や学校献血実施率も半減した.献血啓発講演を受講した小中高生徒へのアンケート調査では,9割弱の生徒が献血に関心を示すようになり,また8割を超える生徒が献血に協力したいと答え,献血に対する理解が深まった.今後も必要な血液を確保するためには,将来を担う小中高生徒に対する講演などの献血啓発を積極的に行い,身近なボランティア活動である献血の普及に努める必要がある.


Key words:献血啓発講演,若年層,献血推進,高校生献血,献血啓発