仙台赤十字病医誌　Vol.25, No.1, 27-30, 2016

原著

仙台赤十字病院における低出生体重児動脈管結紮術の麻酔経験

仙台赤十字病院　麻酔科

森　咲久絡　　山本　庸子　　佐々木規喜
石井　　仁

Anesthetic Management of Premature Neonates Undergoing Ligation of
Patent Ductus Arteriosus

Department of Anesthesia, Japanese Red Cross Sendai Hospital

Sakura MORI, Yoko YAMAMOTO, Chikanobu SASAKI and Hitoshi ISHII

要旨

当院で経験した低出生体重児における動脈管結紮術の周術期経過と麻酔管理について検討した．
　2010年4月から2015年1月までの該当症例は23例で，平均在胎週数は26週，平均出生時体重は780gであった．手術時日齢と在胎週数，出生時体重に相関は認めなかった．
　麻酔は酸素─空気─セボフルランにオピオイドを併用して維持した．術中は肺の圧排による酸素化悪化，麻酔による低血圧，低体温に留意して管理した．
　術後は全例で遺残短絡を認めなかったが，後負荷不整合のため2例でミルリノンが投与され，1例は壊死性腸炎より敗血症となった．全例治療により軽快し，死亡症例は無かった．

Key words:未熟児動脈管開存症，動脈管結紮術，麻酔