仙台赤十字病医誌　Vol.24, No.1, 63-66, 2015

原著

当院における品胎妊娠25例の検討

仙台赤十字病院　総合周産母子医療センター産科

富田　芙弥　　鈴木　久也　　横山　智之
齋藤　美帆　　太田　恭子　　大槻　健郎
中里　浩樹　　谷川原真吾

Analysis of 25 Cases of Triplet Pregnancy Treated in Our Hospital

Department of Obstetrics, Perinatal Medical Center, Japanese Red Cross Sendai Hospital

Hasumi TOMITA, Hisaya SUZUKI, Tomoyuki YOKOYAMA, Miho SAITO, Kyoko OTA, Takeo OTSUKI, Hiroki NAKASATO and Shingo TANIGAWARA

要旨

当院で経験した品胎妊娠25例を後方視的に検討した．全体の84%が不妊治療による妊娠であり，うち81%が排卵誘発剤使用での妊娠であった．中でもクエン酸クロミフェンによる妊娠が不妊治療例の43%を占め，これまでの報告と比べて高率であった．入院時の平均週数は23.7週と早く，ほぼ全例が子宮収縮抑制薬の使用を要した．妊娠高血圧症候群の合併率は8%であった．平均分娩週数は29.1週，児の平均出生体重は1,149 gで，以前の報告より早期での娩出が行われている傾向にあった．周産期死亡率は6.7%で，全て妊娠25週以前での分娩であった．品胎の周産期管理では妊娠25週以前の早産を防ぐことが重要であると考えられる．

Key words:品胎，周産期予後，不妊治療