仙台赤十字病医誌　Vol.24, No.1, 45-48 2015

原著

静脈留置針を用いた持続腕神経叢ブロック

仙台赤十字病院　麻酔科

灰谷あずさ　　大西　詠子　　佐々木規喜
石井　　仁

Continuous Interscalene Brachial Plexus Block Using 20G i.v. Catheter

Department of Anesthesia, Japanese Red Cross Sendai Hospital

Azusa HAITANI, Eiko ONISHI, Chikanobu SASAKI and Hitoshi ISHII

要旨

肩関節周囲の手術の麻酔法として斜角筋間アプローチ腕神経叢ブロックは非常に有用であり，持続カテーテルを併用すれば術後鎮痛法としても優れた効果がある．一般的に持続腕神経叢ブロックには18G持続硬膜外ブロック用カテーテルが用いられるが，当科では20G 51mm静脈留置針を使用し術後鎮痛において良好な結果を得ている．
　静脈留置針の利点として，超音波下で観察が容易である， 器材が安価である，観察から挿入まで介助者が不要である，針孔からの薬液の漏出が少ない，などが挙げられる．
　欠点としては，カテーテル固定の不安定性，神経損傷の可能性が挙げられる．
　20G静脈留置針による持続腕神経叢ブロックは超音波で観察しやすく，簡便に施行できる方法として有用である．

Key words:超音波ガイド下腕神経叢ブロック，静脈留置針，カテーテル造影