仙台赤十字病医誌　Vol.24, No.1, 33-44, 2015

原著

当院における胃全摘患者の術後食の検討

仙台赤十字病院　NST

太田　晴子　　山下　和良　　鎌田　文子
鈴木　真実　　大棒　雄大　　相原　史弥
佐藤　綾子　　�煖ｴ周太郎　　田中美奈子
亀谷　里美　　小林　照忠　　鈴木　秀幸

A Study on the Diet in Patients after Gastrectomy

Nutrition Support Team, Japanese Red Cross Sendai Hospital

Haruko OHTA, Kazuyoshi YAMASHITA, Humiko KAMATA, Mami SUZUKI,
Takehiro DAIBO, Fumihiko AIHARA, Ayako SATOH, Syutaro TAKAHASHI,
Minako TANAKA, Satomi KAMEYA, Terutada KOBAYASHI and Hideyuki SUZUKI

要旨

当院の胃術後食は他院と比較してステップが多く，十分な栄養量確保に至るまで時間を要していた．そこで，胃術後食のステップアップを早め，栄養価の高い食品を取り入れ，早期から栄養量を確保できる内容に改定した．さらに，改定前後の患者の摂取栄養量を比較した．胃癌患者を対象とし，改定前は2011年7月から2013年6月までに胃全摘術を施行した7症例，改定後は2013年7月から2014年5月までに胃全摘術を施行した5症例とした．改定前と比較し，改定後は食事開始後早期から摂取栄養量が増加する傾向であり，改定後の胃術後食が摂取栄養量の増加に寄与したと考えられた．また，改定後の胃術後食を摂取した患者に対しアンケート調査を行った結果，嗜好や摂取状況は患者個々で異なることがわかった．管理栄養士が一人ひとりに合わせて食事内容を調整し，退院後の食事指導においても，患者に合った食事摂取の仕方を提案していくことが重要である．

Key words:胃切除，術後管理，栄養管理，食事