仙台赤十字病医誌 Vol.24, No.1, 19-31, 2015

原著

看護職の仕事の継続意志と職務満足度に関する調査(第2報)

仙台赤十字病院 看護部

松本 亜矢  泉田さとみ  加藤 千恵

A Question Study Will of Continuing and Satisfaction about the Occupation of Nursing(The 2nd Report)

Department of Nursing, Japanese Red Cross Sendai Hospital

Aya MATSUMOTO, Satomi IZUMIDA and Chie KATO

要旨

職務満足度が高まり職場の定着率が向上するための課題を検討する資料を得ることを目的とし,2008年に実施した同調査の追跡調査を行い比較分析した.結果,2008 年(第1回)と,2014年(第2回)の両調査の満足度を構成するスケールの得点率は,「仕事上の人間関係」が最も高く,次いで「専門職性」であった.「看護師としての自己実現」には大きな変化は見られないが,「管理システム」では第1回の調査時よりも第2回の調査結果で平均値が7%上昇していた.仕事の継続意志は,71%が“継続意志あり”と回答しており,仕事を続けない理由の上位は「有給休暇が取れない」,「別の施設(病院)を希望」,「給与に不満」であった.改善がみられたものは「人間関係」,「看護部の教育」,「能力評価方法」であり,看護部門の取り組みが関連していると推察される.今後も継続的な調査と課題への取り組みが必要である.


Key words:職務満足度,仕事の継続意志