仙台赤十字病医誌 Vol.23, No.1, 67-70, 2014

臨床研究

手術野被覆ドレープの改善

仙台赤十字病院 外科

中川 国利  鈴木 秀幸  高舘 達之
深町  伸  小林 照忠  大越 崇彦

Improvement of the Covering Cloth for Operation

Department of Surgery, Japanese Red Cross Sendai Hospital

Kunitoshi NAKAGAWA, Hideyuki SUZUKI, Tatsuyuki TAKADATE, Shin FUKAMACHI, Terutada KOBAYASHI and Takahiko OGOSHI

要旨

われわれが考案した手術野被覆ドレープを紹介する.ドレープは210×320 cm大の防水布で,中心よりやや頭側に10×15 cmの穴を開けた.穴の周囲には吸水加工も施し,裏面は皮膚に粘着固定できる構造とした.使用法は,まず手術台の頭側にカーテン架を,足側に器械盤台を固定する.皮膚消毒後,折り畳んだドレープの裏面を体の上に置く.付着防止用の紙を剥がして皮膚に貼り付け,ドレープを広げて体全体を覆う.次に器械盤台の四隅およびカーテン架の両端を,圧布鉗子で固定する.最後に左右両側の頭側および足側のドレープを引き寄せ,圧布鉗子で固定してポケットを作成する.単純な1枚の布なため,在庫管理が容易で価格が安く操作が簡便である.また胸部から下腹部までのほぼ全ての手術に対応できる.さらに左右のポケットは手術台からの器械落下を防止すると共に,電気メスやガーゼなども留置できる.


Key words:手術野被覆ドレープ,医療安全,経費削減,感染予防