仙台赤十字病医誌 Vol.23, No.1, 3-15, 2014

総説

母体腹壁誘導胎児心電図
〜次世代胎児モニタリングへの挑戦〜

東北大学大学院医学系研究科 周産期医療人材養成寄付講座

佐藤 尚明

New Abdominal Fetal Electrocardiogram

Department of Perinatal Staff Training, Tohoku University Graduate School of Medicine

Naoaki SATO

要旨

胎児well-beingの正確な診断は現代の産科医にとって最も重要な課題の1つである.これまで分娩監視装置を用いた胎児心拍数モニタリングが世界中で広く用いられているが,その評価には限界があることも産科医にとっては周知の事実である.われわれの開発した母体腹壁誘導胎児心電図装置を用いて,非侵襲的に誰でも容易に胎児心電図を計測することができるとしたら,胎児不整脈はもとより,新しい胎児心拍数モニタリング検査法として胎児well-beingの診断に新たな判断基準を示すことができる可能性がある.


Key words:Fetal electrocardiogram, Fetal heart rate monitoring, Fetal heart rate variability, Fetal well-being