仙台赤十字病医誌 Vol.22, No.1, 33-40, 2013

原著

当院における栄養スクリーニング方法の検討
── CONUT,GNRI,MNAR-SFとの比較 ──

仙台赤十字病院 NST

大棒 雄大  遠藤 公人  生澤 史江
相原 史弥  佐藤 綾子  鈴木 真実
太田 晴子  山下 和良

Analysis of Nutritional Screening
── CONUT, GNRI, MNAR-SF in Comparison ──

Nutrition Support Team, Japanese Red Cross Sendai Hospital

Takehiro DAIBO, Kojin ENDO, Fumie IKEZAWA, Fumihiko AIHARA, Ayako SATO, Mami SUZUKI, Haruko OTA and Kazuyoshi YAMASHITA

要旨

当院での栄養スクリーニング方法(従来法)と,CONUT,GNRI,MNAR-SFなどのスクリーニング方法との比較・検討を行った.平成23年3月から7月までに,内科病棟に入院した患者82例を対象とした.栄養不良は従来法41例(50.0%),CONUT 57例(69.5%),GNRI 69例(84.1%),MNAR-SF 71例(86.6%)であった.従来法の栄養不良基準をアルブミン3.0 g/ dl以下から3.5 g/dl未満とし,更に総リンパ球数≦1,000/μlを栄養不良の条件に加えると,従来法での栄養不良患者の抽出は,CONUTが感度96.5%,特異度92.0%,κ係数0.88とほぼ一致したが,GNRI,MNAR-SFは一致率が低かった.当院の従来法の栄養不良基準を一部変更することによりCONUTとほぼ一致したスクリーニング結果が得られることが判明した.


Key words:NST,栄養スクリーニング,CONUT,GNRI,MNAR-SF