仙台赤十字病医誌　Vol.22, No.1, 11-17, 2013

原著

結核入院患者の精神的ストレス調査

仙台赤十字病院　看護部（外来）

菊池真紀子　　千田香緒子

A Study on Mental Complaints in Hospitalized Patients with Tuberculosis

Ward of Outpatient, Japanese Red Cross Sendai Hospital

Makiko KIKUCHI and Kaoko CHIDA

要旨

結核入院患者の精神的ストレスを明らかにする目的で，患者24名（男18名，女6名，65歳未満15名，65歳以上9名）に46項目のアンケート調査を行った．精神的ストレスは，多い順に「自由に病棟から出られない」18名（75%），「人に嫌われる病気」15名（63%）だった．性別で差の大きいのは，「他人と同室」男4名（22%），女5名（83%），次いで「慣れないベッド上生活」男2名（11%），女4名（67%）だった．年齢別では，「収入の減少」65歳未満12名（80%），65歳以上1名（11%），「休職」65歳未満9名（60%），65歳以上1名（11%）だった．アンケート調査から看護師は，患者が治療や今後に関して医師から十分な説明を受けられるように調整すること，快適に過ごせるように環境面で配慮すること，退院後の生活を多職種と連携し支援する必要性が示唆された．

Key words:結核，精神的ストレス，性別，高齢者