仙台赤十字病医誌 Vol.21, No.1, 63-70, 2012

看護研究

自己評価と客観的評価からみた院内看護研究支援プログラムの課題

仙台赤十字病院 看護部中央手術室,8A病棟

松本 亜矢  菅原さとみ

Nursing-research support program for self-evaluation and objective assessment

Ward of operating room and *ward of 8A, Japanese Red Cross Sendai Hospital

Aya MATSUMOTO and Satomi SUGAWARA*

要旨

院内看護研究支援プログラムにおいて研修者の講義内容の理解度,研究のプロセス自己評価,作成した抄録の客観的評価を調査した。講義内容の理解は研究目的や意義,研究計画書の作成など看護研究の導入段階であるほど理解が得られていた。研究プロセスの自己評価では全体的に高い傾向であった。しかし,講義とプロセスのいずれもデータ処理の困難さを示す結果であり講義や指導上の課題が明らかとなった。抄録の客観的評価においては研究目的の記載が不十分な点や質問方法が明示されていない傾向があり,作成時の指導をより一定水準で簡易に行うことができるチェックシートの導入などの検討が必要である。看護研究をまとめたことへの研修者の満足度は高く,支援の方法をさらに充実させる必要性が示唆された。


Key words: 看護研究,支援体制,卒後教育