仙台赤十字病医誌　Vol.21, No.1, 47-51, 2012

症例報告

胃食道逆流症再発の重症心身障がい者に対する食道胃分離術の経験

仙台赤十字病院　小児外科

中村　　潤　　遠藤　尚文

The Experience of Esophagogastric Dissociation for a Severely Neurologically Impaired Patient with Recurrent Gastroesophageal Reflux Disease

Department of Pediatric Surgery, Japanese Red Cross Sendai Hospital

Megumi NAKAMURA and Naobumi ENDO

要旨

胃食道逆流症（GERD）の術後再発例に対する再手術には，その適応や術式の選択について統一した見解がない現状である。我々は重症心身障がい者の保存的コントロール困難なGERD再発例に対し，食道胃分離術を行った。その結果，患者や家族のQOLは向上し良好な結果を得たが，原疾患に対する全身管理の問題や大きな手術侵襲のため，周術期においては，呼吸·輸液·栄養管理とともに感染·疼痛管理など多岐にわたる対策を講ずることが重要と考えられた。

Key words: 重症心身障がい児（者），胃食道逆流症，再発，食道胃分離術，周術期管理