仙台赤十字病医誌 Vol.20, No.1, 85-89, 2011
症例報告
迅速に診断し治療しえたレジオネラ肺炎の1例
仙台赤十字病院 呼吸器内科
大塚 竜也 佐藤 正俊 清水川 稔
岡山 博 三木 誠
A Case of Rapidly Diagnosed and Treated Legionella Pneumonia
Department of Respiratory Medicine, Japanese Red Cross Sendai Hospital
Tatsuya OTSUKA, Masatoshi SATO, Minoru SHIMIZUKAWA, Hiroshi OKAYAMA and Makoto MIKI
要旨
症例は62歳男性。前日からの39℃台の発熱,呼吸苦を主訴に他院を受診し,胸部単純X線写真にて肺炎像を認めて入院した。しかし翌日にはさらに胸部陰影が拡大したため,当科に紹介,転院した。肺炎の急速な進行や血清CK上昇,低ナトリウム血症などの検査所見からレジオネラ肺炎を疑い,尿中抗原検査にて速やかに確定診断を得た。パズフロキサシン(PZFX)点滴,クラリスロマイシン(CAM)内服治療を開始し,約2週間の経過で治癒した。レジオネラ肺炎は急速に進行して重症化しやすいため,肺炎の鑑別として常に念頭に置き,特徴的な臨床所見を把握しておく必要がある。
Key words:レジオネラ肺炎,大葉性肺炎,ニューキノロン系抗菌薬,マクロライド系抗菌薬