仙台赤十字病医誌 Vol.20, No.1, 61-65, 2011

症例報告

荷重肩に生じた腱板断裂の1例

仙台赤十字病院 整形外科

小池　洋一　　金城　　健　　今村　　格
大沼　正宏　　後藤　昌子　　大山　正瑞
北　　　純

A Case of Rotator Cuff Tear in a Patient with the Weight-Bearing Shoulder

Department of orthopaedics, Japanese Red Cross Sendai Hospital

Yoichi KOIKE, Takeshi KINJYO, Itaru IMAMURA, Masahiro ONUMA, Masako GOTO,
Masamizu OYAMA and Atsushi KITA

要旨

下肢に障害をもつ患者は，移動手段として松葉杖や車椅子を使用し，肩関節を含む上肢が体重を支える役割を担う（荷重肩＝Weight-Bearing Shoulder）。荷重肩には腱板断裂を含む様々な障害がおこり，移動能力が著しく損なわれるが，移動能力の適切な評価基準は確立しておらず，治療の報告も少ない。我々は腱板断裂を合併した荷重肩の1例に対し手術を行い，新しい評価基準によって治療経過中の移動能力の推移を評価した。

Key words:荷重肩，腱板断裂，急性灰白髄炎，松葉杖歩行