仙台赤十字病医誌 Vol.20, No.1, 41-48, 2011

原著

インフォームドコンセントに同席している手術室看護師の援助── 人工股関節全置換術患者に焦点を当てて ──

仙台赤十字病院 看護部(中央手術室,外来

大和美和子  菊池真紀子

Critical Role of the Operating-room Nurses before the Operation―― At the Time of Informed-consent before Total Hip Arthroplasty ――

Ward of Operating-room, Ward of Outpatient, Japanese Red Cross Sendai Hospital

Miwako YAMATO and Makiko KIKUCHI*

要旨

本研究は,手術室看護師が,人工股関節全置換術の術前インフォームドコンセントに同席して行っている,患者への援助について明らかにすることを目的とした。研究デザインは,質的帰納的研究であり,半構成的面接法を用いた。データは,逐語録にして比較継続法によりカテゴリー化した。対象者は,手術室看護師5人であった。分析の結果から,1. 【術前訪問をベースとした新たな情報収集】,2. 【手術に対する不安を捉える】,3. 【患者と医師との間のコミュニケーションを取り持つ】,4. 【手術中の看護展開をイメージする】,5. 【患者から信頼される関係をつくる】の,5つのカテゴリーが抽出された。手術室看護師は,術前のインフォームドコンセントに同席することで,新たな情報収集を行い,患者の手術に対する不安を捉え,医師との関係を取り持ちながら,手術中の看護展開を予測していた。そして,患者から信頼されるような関係を築く目的で行動していたと考える。


Key words:インフォームドコンセント,手術室看護師,人工股関節全置換術