仙台赤十字病医誌 Vol.19, No.1, 71-74, 2010

臨床研究

CTACを用いたSPECT画像にCT造影剤が与える影響

仙台赤十字病院 放射線科*
金沢大学大学院医学系研究科 保健学**

鈴木  陽*,**  越田 吉郎**  岡田 秀人*  高橋 和義*
横山 高広*  浦 一隆*  白井 綾佳*  芳賀 沙織*

Influence which CT Contrast Agent has on the SPECT Imaging using CTAC

*Department of Radiology, Japanese Red Cross Sendai Hospital
**Division of Health Sciences, Graduate School of Medical Science, Kanazawa University

Akira SUZUKI*,**, Kichirou KOSHIDA**, Hideto OKADA*, Kazuyoshi TAKAHASHI*,
Takahiro YOKOYAMA*, Kazutuka MIURA*, Ayaka SHIRAI* and Saori HAGA*

要旨

当院では,2008年の2月にCTとガンマカメラが一体となったSPECT/CT装置が導入された。SPECT/CT装置は,核医学の画像とCTの正確な解剖学的情報を,精度よく合成できる。このことは,集積部位の位置同定が困難とされてきた核医学検査にとっての大きな進歩である。また,CT画像のCT値から各部位における減弱補正マップを作成し,体幹部などの不均一吸収体での減弱補正が簡便に行えるようになった。PET/CTでは,CTの造影剤が体内にある場合,減弱補正が過補正になることが報告されている。そこで,SPECT/CTでも同様なことが起こるのか,ファントム実験を行った。その結果,造影剤の濃度が濃いと明らかに過補正になった。このため,SPECT/CT撮影を行う場合は,造影CT検査の前に行うか,造影検査から日を空けて体内から排出されるのを待ってから行うのが望ましいと考える。


Key words:SPECT/CT,過補正,減弱補正