仙台赤十字病医誌 Vol.19, No.1, 21-30, 2010

原著

看護師の仕事の継続意志と職務満足度に関する調査

仙台赤十字病院 看護部(中央手術室,8A病棟*

松本 亜矢  菅原さとみ*  渡辺 紹子

A Questionnaire as to Factors Concerning the Will of Continuation of the
Occupation of Nursing and the Satisfaction with the Occupation

Ward of Operating Room, *Ward of 8A, Japanese Red Cross Sendai Hospital

Aya MATSUMOTO, Satomi SUGAWARA* and Syouko WATANABE

要旨

看護師の仕事の継続意志と満足度に関する調査を行った。仕事への継続意志では,「あり」が164名(61%),「なし」が92名(35%)であった。年代別比較では,年代が高いほど継続意志が高かった。満足度や離職に及ぼす影響を要因ごとに比較すると,「管理システム」「仕事上の人間関係」「専門職性」「看護師の自己実現」のスケールの平均点は,すべてのスケールにおいて20歳代よりも40歳代が有意に高かった。また,満足度に影響を及ぼす因子でスケールごとの分析を行ったところ,自己実現や専門職性では看護にやりがいを感じ仕事を誇れると回答していた。反面,管理システムでは有給休暇の取得について希望どおりとれないことや,人間関係では医師の態度に気を使わなければならないことなど,認識の低いことが明らかとなった。これらの点について改善策を検討することで,看護師の職務満足度を上げ,離職の防止へとつなげることが今後の課題と考える。


Key words:看護,継続意志,職務満足度,経験