仙台赤十字病医誌　Vol. 18, No. 1, 89-98, 2009

看護研究

看護師が抱く看護肯定感と看護職を続けていく
うえでの支えに関する調査

仙台赤十字病院 看護部（中央手術室）

松本　亜矢

Research on the Positive Feelings that Nurses Experience in Their Nursing
Practices and the Supports that Help Nurses Continue Their Profession

Ward of operating room, Japanese Red Cross Sendai Hospital

Aya MATSUMOTO

要旨

看護肯定感スケールを作成し，属性との関連を分析した。結果，経験年数を積むことによってすべての平均点および，「創造性」「変革力」「専門性」「自律性」「ケア」「現実志向」の下位尺度の点数が高くなることがわかった。また，看護肯定感に影響する因子として，経験年数と勤務場所の2つの要因が相互に影響を及ぼしていると考えられる結果となった。勤務場所が一般病棟以外の専門性の高い部署（ICUなど）や外来などでは5年目までの看護師に看護肯定感が低い傾向が出ているため，管理者による業務量の調整を含めた十分なサポートが必要である。看護師を続けていく上での支えで最も多かったものは，「同職種友人」であり，“支え” と看護肯定感に関連があったものは「他職種友人」「家族」「上司」「患者」であった。看護肯定感を高めるためには身近な存在との関係についてバックアップの方法を検討していくことも今後の課題であることが示唆された。

Key words: 看護，肯定感，継続意志，やりがい，経験