仙台赤十字病医誌 Vol. 18, No. 1, 3-11, 2009
論説
内分泌疾患をめぐるCPC雑感
東北大学名誉教授
笹野 伸昭
Stories of CPC on Endocrine Diseases
Professor Emeritus, Tohoku University
Nobuaki SASANO
要旨
内分泌と代謝をめぐるCPCが雑誌“医学のあゆみ”に連載されたのは1970-88年の19年間で,著者の1965-88年に亘る教授生活の大部分に当たる。しかもこれを委嘱された動機は助教授時代にロックフェラー財団の援助によって米国ボストンに留学し,1961-62年にハーバード大学の病理学教育やマサチューセッツ総合病院(MGH)の病理業務を参観していたことに由来した。従ってこのCPCシリーズは著者の病理学の全貌を代弁するといっても過言ではない。本稿は2009年1月27日に行われた第30回福島内分泌懇話会の特別講演の内容である。内分泌病理学は多方面の専門的研究者の協力によって成り立つ学問であり,それを著者はCPCによって示してきたことを述べ,滞米時代の経験を回顧した。
Key words: 内分泌疾患,CPC,MGH