仙台赤十字病医誌　Vol. 17, No. 1, 63-66, 2008

原著

進行再発大腸癌症例に対するFOLFOX療法の施行経験

仙台赤十字病院　外科

鈴木　幸正　　中川　国利　　遠藤　公人
小林　照忠　　藪内　伸一　　桃野　　哲

Clinical Administration of FOLFOX Regimens for Patients
with Advanced or Recurrent Colorectal Cancer

Department of Surgery, Japanese Red Cross Sendai Hospital

Yukimasa SUZUKI, Kunitoshi NAKAGAWA, Kojin ENDO,
Terutada KOBAYASHI, Shinichi YABUUCHI and Satoshi MOMONO

要旨

進行・再発結腸・直腸癌14例に対しFOLFOX療法を施行した。患者背景は，既化学療法施行例が11例，未治療例が3例，治療回数は3〜35回（中央値8回）であった。全体の奏効率28.6%，病勢コントロール率50%，time to progression (TTP) 中央値12カ月であった。有害事象は，末梢神経障害57.1%，血液毒性50%，消化器症状50%，肝機能障害28.6%，アレルギー反応14.2% が認められた。有害事象で治療が中止となった症例は2例のみで，治療完遂率は85.7% であった。本療法は進行・再発大腸癌症例に施行し，認容性は良好であったが，奏効率を含めて，治療効果は十分とは言えなかった。

Key words: 進行再発大腸癌，FOLFOX療法