仙台赤十字病医誌　Vol. 16, No. 1, 17-23, 2007

原著

腹腔鏡下手術症例の検討

仙台赤十字病院　外科

中川　国利　　藪内　伸一　　村上　泰介
遠藤　公人　　鈴木　幸正

Evaluation of the Laparoscopic Surgery

Department of Surgery, Japanese Red Cross Sendai Hospital

Kunitoshi NAKAGAWA, Shinichi YABUUCHI, Yasusuke MURAKAMI,
Kojin ENDO and Yukimasa SUZUKI

要旨

1991年6月から2006年12月までに，当科で腹腔鏡下手術を施行した4,094例を対象として検討した。内訳は，胆嚢摘出術3,455例，大腸切除術180例，ヘルニア修復術138例，虫垂切除術131例，肝嚢胞開窓術30例，卵巣摘出術27例，遺残尿膜管切除術26例，腸癒着剥離術18例，十二指腸潰瘍穿孔部閉鎖術17例，胃切除術14例，副腎摘出術6例，脾臓摘出術5例，その他47例であった。腹腔鏡下手術導入初期には施行例は少なく，全手術例に占める腹腔鏡下手術例の割合も低率であった。しかし手技の確立と機器の開発に伴い積極的に腹腔鏡下手術を施行し，2006年には年間341例と全手術例の半数を占めるまでに増加した。今後もさらなる手技の確立とより便利な機器の開発により，患者に優しい腹腔鏡下手術が益々普及してゆくことが期待される。

Key words: 腹腔鏡下手術，腹腔鏡下胆嚢摘出術，腹腔鏡下大腸切除術，腹腔鏡下虫垂切除術，腹腔鏡下ヘルニア修復術