仙台赤十字病医誌 Vol. 15, No. 1, 97-101, 2006

症例報告

間質部妊娠の2症例

仙台赤十字病院 産婦人科

松田 尚美  武山 陽一  中里 浩樹
萬代 泰男  千葉 裕二  谷川原真吾

Interstitial Pregnancy: A Report of 2 Cases

Department of Obstetrics and Gynecology, Japanese Red Cross Sendai Hospital

Naomi MATSUDA, Yoichi TAKEYAMA, Hiroki NAKAZATO,
Yasuo MANDAI, Yuji CHIBA and Shingo TANIGAWARA

要旨

間質部妊娠の2症例を経験した。症例1は,出血を繰り返し,妊娠19週自然流産後に胎盤が娩出せず,間質部妊娠と診断し開腹手術を施行した。症例2は,妊娠8週(最終月経より)で間質部妊娠と診断,早期に手術を施行できた。2症例ともに,子宮・患側卵管を温存することができ,輸血を要せず術後経過は良好であった。間質部妊娠は子宮内妊娠との鑑別が困難である。しかし,診断が遅れると子宮破裂をおこしショックに陥り,輸血や子宮全摘術などを要することが多く,妊孕性の温存も考慮し,できるだけ早期に診断し手術を施行する必要がある。


Key words: 間質部妊娠・子宮外妊娠