仙台赤十字病医誌　Vol. 15, No. 1, 39-44, 2006

原著

エゴグラムによる肥満糖尿病患者の性格特性
および教育入院の効果の検討

仙台赤十字病院　糖尿病代謝科
看護部（8A病棟)^*

小竹　英俊　　高橋　純子^*　　玉山　由紀^*
佐藤しのぶ^*　　及川　京子^*

Personality Traits According to Egogram in Obese Patients
with Diabetes Mellitus: the Efficacy of the Education of
Diabetic Inpatient Program

Division of Diabetes & Metabolism
^*Department of Nurse, Japanese Red Cross Sendai Hospital

Hidetoshi KOTAKE, Junko TAKAHASHI^*, Yuki TAMAYAMA^*,
Shinobu SATO^* and Kyoko OIKAWA^*

要旨

糖尿病外来通院中の患者218名を対象にして東大式エゴグラム（TEG）を実施し，肥満糖尿病患者において性格特性や行動様式に特徴が認められるか検討した。その結果，BMI 25 kg/m² 以上の肥満群では批判的な親の心を反映するCPおよび大人の心を反映するAが非肥満群に比して有意に低値を示した。また，HbA1c 6.5% 以上の血糖コントロール不良群でもCPが良好群に比して有意に低値を示した。一方，糖尿病教育入院患者18名の教育前後でのエゴグラムの成績を比較すると，従順な子供の心を反映するACが教育前に比して教育後は有意に低下した。肥満例やコントロール不良例で性格特性に特徴がみられ，教育入院によりその変化が確認されたことから，TEGの結果を糖尿病教育の中で，いかに活用しうるか今後検討していきたい。

Key words: 糖尿病，肥満，エゴグラム