仙台赤十字病医誌　Vol. 14, No. 1, 103-107, 2005

看護研究

人工股関節全置換術を受けた患者の術前術後の
主観的健康統制感の変化

仙台赤十字病院　看護部（5A病棟）

松本　亜矢　　原　　玲子

The Change of Health Locus of Control before and
after Total Hip Arthroplasty

Ward of 5A Japanese Red Cross Sendai Hospital

Aya MATSUMOTO and Reiko HARA

要旨

人工股関節全置換術を受けた患者の入院・手術体験が「病気や健康の原因帰属」にどのような影響をもたらすかを明らかにするために，患者の心理を知るひとつのてがかりとすることを目的に郵送にて質問紙調査を行い，手術前後の主観的健康統制感の変化を分析した。その結果，手術後に「家族」に対する原因帰属が増加を示し，健康問題の解決を家族に求める考え方が強くなることが明らかとなり，患者にとって家族の存在の大きさが示唆された。

Key words: 人工股関節全置換術，主観的健康統制感，原因帰属，健康統制所在